第18章 全てを乗り越えて (光秀×舞) R18 リクエスト作品
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広間に着くと、案の定、光秀が険しい表情で近寄ってきた
それを気に留めることもなく、信長は光秀との距離を縮めていく
二人の距離が目前まで近づくと、信長は意地悪な笑みを浮かべた
「浮かない顔だな、光秀」
「お館様……」
「まぁいい。これは俺からのばーすでーぷれぜんと、だ。受け取れ」
慌てて広げた腕の中へ舞が渡され、光秀が驚いて目を見開くと、信長は真剣な表情で一言だけ口にした
「幸せにしてやれ」
その一言に、信長の想いが込められているのを感じ取った光秀は、抱きしめる腕に力を込め、頭を下げる
「はっ、有難く…頂戴致します」
深々と一礼した後、光秀は優しく舞を床に下ろし、手を引きながら一番上座の席へと向かった
用意された席に座り、隣に舞を座らせる
普段とは違い、着飾った舞はいつも以上に綺麗で、言葉を発せられずにいると、斜めに前に座っていた秀吉が舞をじっと見つめているのに気付き、思わず眉を顰めた
「秀吉…あまりじろじろ見るな」
「いや、今日の舞は一段と綺麗だなと思ってな。光秀なんかやめて、そのまま俺の所に来たっていいんだぞ?」
「おい、秀吉…斬られたいのか?」
あからさまに煽ってくる秀吉に苛立ちを隠せずにいると、舞は困った顔で秀吉を見つめ、光秀の手に自身のそれを重ねた
「信長様も秀吉さんも…そんな風に光秀さんの気持ちを確かめなくても、光秀さんはちゃんと私を愛してくれてます。それに…何より私が、光秀さんの傍にいたいんです」
舞の真っ直ぐな言葉に、光秀が驚いて目を見張ると、それをずっと見ていた政宗が声を立てて笑い始めた
「舞が光秀を選んだんだ。これ以上無粋な真似はやめて、二人を祝ってやれ」
「ふん…そうだな。ならば光秀、盃を持て。俺が直々に注いでやる」
「はっ…有難うございます」
光秀は、信長に注いでもらった酒を一気に飲み干し、その盃を舞へ渡すと、そこへ信長が新たに酒を注ぐ
「何があっても光秀の傍にいると言ったな。その言葉、忘れるな。貴様にしか出来ん役目だ。光秀は任せたぞ」
「っ、はい!有難うございます…!」
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