第18章 全てを乗り越えて (光秀×舞) R18 リクエスト作品
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一番、気にしていた事をズバッと言われ、舞は思わず唇を噛みしめた
(品位…か。私が相手じゃ…光秀さんもきっと、立場がないよね……)
それなりの身分の人と結ばれた方が、光秀さんの為になるのかもしれない…なんて、考えないようにしていた事が頭の中でぐるぐると回り出す
家康は、すっかり黙り込んでしまった舞を暫く見つめた後、静かに口を開いた
「俺は側室を取る気は無いから。俺には舞だけいればいい。わかったらそこ、どいてくれる?」
「っ、家康様はこの女に騙されてるんです!どうか私を側室に……!」
「いい加減にしろよ!!俺は、他人を蔑むような女に興味ないから。今すぐ俺の視界から消えて」
家康が声を荒げた事で周りが急にざわつき始めた事に気がついた姫は、眉間に皺を寄せたまま逃げるようにその場から立ち去った
家康も、舞を抱いたまま広間から出ると、そのまま舞の部屋へと向かう
沈黙が気まずい空気を醸し出していて、舞は思わず瞳を閉じた
「舞、気にする事ないから。あんたはいつもみたいに、へらへら笑ってればいい」
「家康……」
「あんたの呑気な顔は…嫌いじゃない。あんたが望むなら、俺は……」
部屋の前に着き、その場に立ち尽くしたまま真っ直ぐに見つめてくる家康に思わず息を飲む
絡まる視線を逸らせずにいると、舞の身体が突然ふわりと宙に浮いた
「きゃあ…っ、み、光秀さん?!どうして……」
抱き上げられ、慌てて見上げると、少し不機嫌な表情をした光秀に見つめられ、ドキンドキンと胸が騒ぎだす
光秀は、そのままゆっくりと視線を家康の方へ向けると、真面目な顔で話し始めた
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