第13章 激情に囚われて(謙信×舞) R18
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その日は、珍しく昼頃まで舞を抱いて眠った
腕の中で未だ眠っている舞の頬を優しく撫で、愛らしい寝顔を見つめる
「ん……。謙信様……?」
「起きたか。身体は大丈夫か…?昨日は無理をさせすぎた」
申し訳なさそうに言う謙信に、舞はふわりと笑みを零す
「大丈夫です。謙信様を沢山感じる事が出来て嬉しかったです…」
「っ、あまり煽ってくれるな。またお前が欲しくなる…」
「っ、謙信様…っ」
顔を真っ赤に染めて見つめてくる舞をギュッと抱きしめると額にチュッと口付けを落とした
「だが、それはまた夜にとっておくとしよう。今日はお前を連れて行きたい場所があるからな。起きれるか?」
「っ、はい。でも、何処へ…?」
「行けばわかる」
二人は急いで着替えを済ませると、謙信の馬に乗って外へ出かけた
暫く馬を走らせた先に見えてきた光景に思わず息を飲む
辺り一面が謙信の髪色に似た黄色い花で埋め尽くされていて、その美しすぎる光景に舞の胸はいっぱいになった
「綺麗……。まるで謙信様みたい……」
「綺麗だと言われても嬉しくはないが、お前の視線を独り占めできるなら悪くはない」
フッと笑って花畑へ舞を降ろすと、謙信も馬から降りて花畑を見つめる
「だが、たとえ花であってもお前の視線を独り占めするのは気に入らん。お前が見ていいのは俺だけなのだからな」
甘い独占欲に、胸がドキンと高鳴る
そんな謙信の手を取り花畑の真ん中まで進むと、舞は謙信の体にギュッと抱きついた
「謙信様、約束…覚えててくれたんですね」
「花畑に連れて行ってやると言っていたからな」
(約束を守る律儀な所が、いかにも謙信様らしいな)
そういう所も含めて、全てが本当に愛しいと思う
「謙信様…愛しています」
想いが伝わるように心を込めて呟くと、謙信もまた優しく抱きしめ返し、口付けを落とす
「舞、愛している…」
黄色い花畑の真ん中で、謙信の愛に囚われる幸せを噛み締めながら、舞は抱きしめる腕に力を込めた
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