第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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それから暫く抱きしめ合った後、家康は少し深刻そうな顔つきで舞を見つめ、静かに話し始めた
「俺にはあんたは必要ないって…ずっと思ってた。だから、煩わしく思ってた時もある…」
(あんたと関わると、落ち着かないし、いつも慌ただしくて、本当迷惑だって思ってた…)
「だけど…いつの間にか、あんたは俺にとって大切な存在になってた。あんたが誰かの隣で笑う姿を見るだけで気が狂いそうになって…その時、やっと気付いた。俺にはあんたが必要だって事…」
「家康…………」
「それでも、諦めようとした。何度も。冷たく当たったりもした。それでも、無理だった。あんたが誰かのものになるって考えたら、許せなくて…俺があんたを独り占めしたいって思った」
抱きしめる腕に力を込め、ありったけの想いを真っ直ぐに伝えていく
そんな家康の言葉をずっと黙って聞いていた舞は、家康の身体をギュッと強く抱きしめた
「私も最初は、家康と少しでも仲良くなれたらなって思ってただけだった。だけど…気付いたらいつも家康の事ばかり考えるようになってた…」
「舞……」
「家康が好き…。ずっと家康の傍にいたい…」
舞の不安げに揺れる瞳を見つめ返し、触れるだけの口付けを落とすと、家康は優しく微笑んだ
「言っとくけど…嫌だって言っても離す気なんてないから。散々振り回した責任とってって言ったでしょ?」
「っ、うん………」
「あんたは俺の隣で一生へらへら笑ってて」
(あんたの呑気な笑顔はずっと俺が守るから)
だから、ずっと傍にいて。
舞の瞳を見つめ心の中でそう呟くと、離れないようにギュッと強く抱きしめた
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