第9章 祈りと願いと 後編 (光秀×舞) R18
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それから何度も身体を重ねた後、光秀は意識を手放してしまった舞の頭を腕に乗せ、寝顔を覗き込んだ
呆れるほど余裕なく舞を求めてしまったと思いつつも、心が満たされている感覚に笑みを浮かべる
優しく髪を撫でてやると、舞が身動ぎをしてゆっくりと目を開けた
「ん…、光秀さん……」
「起きたのか?まだ寝ていても構わないぞ」
「光秀さんとお話がしたいので、寝ません」
「なんだその可愛らしい理由は」
くつくつと笑みを浮かべ舞を見つめると、舞は真剣な眼差しで光秀を見つめていた
「光秀さんが帰って来てくれたのは凄く嬉しかったんですけど…何かあったのかなって心配してるんです。さっきも少し…いつもと様子が違ってたし…」
「ちょっとしたヤキモチだ。信長様にここを触れさせたんだろう…?」
舞の首筋を指で辿ると、舞は慌てて首筋を隠した
「触れられそうにはなったけど、触れられてはないです…っ」
「同じだ。俺以外の前でそのように無防備な姿を見せるとは…悪い子だ」
「っ、ごめんなさい……」
申し訳なさそうに俯く舞の顎を持ち上げ、触れるだけの口付けを落とす
「ここへ来るのも、信長様の馬に乗って来たんだろう?俺以外の男の馬に乗るのはこれが最後にしろ」
「っ、光秀さん…っ」
「後は……」
「まだあるんですか?!?!」
驚いて目を見開いた舞を見て光秀はくすりと笑みをこぼすと、舞の体を優しくそっと抱きしめた
「お前は放っておくと危なっかしくて、俺の気持ちが全然休まらん。だから…大人しく俺の妻になれ」
「えっ…今、何て……」
「俺だけのものになれと言ったのだ。俺も側室は取らず、生涯お前だけのものでいると誓おう」
「っ…光秀さん……っ、本当に…私でいいの…?」
不安そうに見つめる舞を見つめ返し、フッと笑みを浮かべる
「お前だから欲しいのだ。生涯離す気はないから覚悟しておけ」
これからずっと続いていくであろう幸せを祈り、願いを込めながら口付けを交わす
再び火照り始めた身体を寄せ抱きしめ合うと、二人の間を甘い時間が過ぎていった
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