第15章 第１５話

智「何て言ってたのか聞いても良い？」

潤「…翔と向こうの俺は付き合ってる…って…けど、翔は俺を通して向こうの俺を見てる…だから俺の気持ちに答える事は出来ないと…」

智「…そっか…それって俺が以前翔くんに言った事だよね」

俺は大野さんの言葉に軽く頷いた

潤「それを聞いて俺…恥ずかしかったよ」

智「ん？」

潤「翔は俺の事思ってくれてる…俺が辛くならないように…俺を傷付けないように…けど俺は自分の事しか考えてなかったんだ…」

すると俺の話を聞いていた大野さんが

智「そんなもんだよ、人なんてさ…」

潤「…え？」

智「人は皆自分が大事なんだ…だから他人がどれだけ傷付いても関係なんて…」

そこまで話して大野さんは突然話を止めた

まるで失言だったとでも言うように…

潤「…大野さん…？」

智「アハハ、ごめんね変な事言って。皆待ってるから戻ろうか」

潤「う…うん…」

そして何事もなかったかのように大野さんはカップを持ってリビングに行ってしまった

…何かあったんだろうか…