第38章 なかぬなら・・・(秀吉ED)
??「待て」
忍「!!」
男「あなたは・・・」
秀吉「そいつに手をだすとはいい度胸だな」
男「ひ・・・秀吉様!!いやこれは・・・」
秀吉「言い訳はいい。
ここで俺に斬られたくなかったら、
とっとと失せろ」
秀吉の声に驚く男は慌てて逃げていた。
忍「ひ・・・秀吉さん・・・」
忍は安堵するかのように、
あるいはあの人だったら良かったのにと、
思い人に助けられる図を想像するかのように、
秀吉の名前を呼んでいた。
秀吉「大丈夫か?」
秀吉はそんな彼女の気持ちを、
知ってか知らずか、
忍に問いかける。
忍「こ・・・怖かったです・・・」
秀吉「そうか・・・」
秀吉はそういうと、
忍の着物の衿をつかんでいた。
忍「ひ・・・秀吉さん!?」
先ほどの男を思い出したのか、
忍は秀吉に驚いた声をあげる。
秀吉「こら動くな。着物直せないだろ?」
脱がすのではなく、
暴かれた胸元を、
秀吉は隠そうとしていたらしい。
忍はその言葉に、
ほっとすると動くのをやめた。
そこには秀吉を兄と思う安心感があった。
秀吉も忍を妹として思い、
妹に着物を着せる以外の思いなどなかった。