第31章 女城主の決断(二匹の龍編)
青葉城と春日山城の間にある支城。
そこの牢屋の中で、
忍は囚われの身になっていた。
どちらの龍も敵になりたくない。
どっちつかずの思いからか、
その結果はどちらの龍にも、
攻め入られるという悲劇を生んでしまった。
家臣の多くは殺され、
命乞いをしたものさえでた。
忍の身は、
二人の龍の目の前に引きずりだされていた。
政宗「まさか城主様がこんな子供だとはな」
謙信「待て、独眼竜。それは俺の獲物だぞ」
政宗「固いこと言うなよ。軍神。
二匹の龍のどちらも手玉に取ろうとした、
こんな愚かな城主様には、
二人で教えてやった方がいいだろうが」
謙信「どうする気だ?」
政宗「そりゃ二人で交互に斬るとかだろ?」
謙信「その前にその身を改めるべきではないのか?
隠し武器を仕込んでおらぬとも限らぬ」
政宗「そうだな」
謙信と政宗の言葉に忍はびくりとなる。