第30章 女城主の決断(信玄編)
春日山城にて
謙信「信玄」
信玄「どうした斬りあいならしないぞー」
謙信「いつも俺が斬りあいしかせん、
みたいな言い方はよせ。
信玄、お前××国は知っているな?」
信玄「ああ、最近城主が、
新しくなったって噂のあそこだろ」
謙信「越後と独眼竜の奥州とは近い。
何かあれば越後によからぬ、
火の粉がふりかかるやもしれん」
信玄「ああ、気を付けねえとな」
謙信「当主は越後か安土か、
どちらかにつくか決めているという噂だ」
信玄「なるほど二匹の龍のどちらかに
とりいろうってことか」
謙信「そうだろうな。俺としては先の当主と、
同じく斬りあいたいものだが・・・
だが国のことを考えるとそうとはいえん。信玄」
信玄「なんだ?」
謙信「××国に行き、当主に会ってこい」
信玄「俺でいいのか?」
謙信「お前の観察眼は俺より上だ。
見たうえで俺に報告をしろ」
謙信は信玄にそう告げた。