第27章 女城主の決断(信玄ほか編)
信玄「さて名残惜しいが、
俺は姫を守る仕事をしないとな」
信玄は部屋の前で幸村と忍の様子に、
少しだけ聞き耳をたてると、
大丈夫だと判断したのか、
その身をどこかに向かわせていた。
謙信「おい」
信玄「謙信どうした」
城主である謙信が信玄に声をかけた。
部屋の中の声を聴いたのか、
その整った眉はひそめられており、
不機嫌な様を隠そうとすらしていなかった。
信玄「なんだ謙信。不機嫌な顔をして・・・?
あ、斬りあいなら遠慮するぞ」
謙信「そうではない。何をやっていた?」
信玄「お前もやったことあるだろう?男女の・・・」
謙信の問いに信玄は遠慮なしにそんなことを返す。
謙信「お前・・・××国の当主と会談ではなかったのか?」
信玄「その当主様を今幸がもてなしている。
邪魔すんなよ?」
謙信「もてなす・・・?
ほう・・・この騒ぎは、
当主と幸村のモノか・・・
勝手に女を連れ込み、
家臣と乱痴気騒ぎを起こすとは、
いい度胸だな。信玄」
謙信の顔に青筋が浮かんでいく。