第4章 妹狐と兄武将(豊臣秀吉)
忍「秀吉様はお嫌いですか?」
秀吉「好き嫌いじゃなくてだな・・・
・・・そういうのは好きな男のために、
とっておけ、いいな?」
まるで自分は相手にふさわしくない。
そういわれたように感じた忍の目からは、
とめどなく流れていた。
秀吉「お・・・おい忍?
そんなに俺のまずかったのか?」
忍は何も言わずに首をふった。
そうじゃない・・・そうじゃない・・・
と秀吉に伝えるかのように・・・
秀吉「どうしたんだ・・・」
忍「私じゃ・・・
所詮妹にしかなれないのですか・・?
それとも兄様の妹だから、
ダメなのですか・・・?」
秀吉「何言ってんだ・・・?」
忍「私はずっと前から、
あなたを恋い慕っております。
好きな男のためとおっしゃるのに、
あなたは私の初めてを、
受け取ってはくださらないのですか?」
秀吉「・・・っ・・・」
忍「秀吉様の最初は不可能であることも、
最後が無理なことも存じております。
ですがせめて私の初めてだけ、
受け取ってくださいませんか・・・?」