第25章 女城主の決断(謙信編)
対する忍はというと、
謙信のそばで顔を赤らめながら、
忍の家臣の小言を聞いていた。
そばのわけは謙信との激しい交わりで、
忍はすっかり立てなくなっていることと、
謙信が忍の腰を抱いたまま、
離そうとしなかったからだ。
家臣1「忍様。私は話し合うと聞きましたが?
こんな身体を簡単につなげる娘に育ったなどと、
亡くなった旦那様と奥様になんといえば・・・
謙信殿も謙信殿ですぞ。
会合といいながら手籠めにするなどと」
謙信「手籠めにしたのが不満ならば、
忍に俺の嫡妻の座をくれてやろう」
佐助「謙信様どういうつもりですか?
謙信様が側女をとるだけでも前代未聞なのに、
嫡妻にするなどと」
謙信「ただの気まぐれだ。
だがこの娘を名実ともに俺の所有物にし、
守るためには手っ取り早いであろう?」
忍「あの・・・守ってほしいのは私ではなく、
私の治めている国と民なのですが・・・」
佐助「忍さんとその家臣さん。
うちの上司がすみません。そして諦めてください。
こうなったらもう俺にはどうにもできません」
謙信の様子に佐助はとうとう匙を投げだした。
忍の家臣は、大事な当主を、
越後の龍に食い荒らされたことと、
謙信の嫡妻という大きすぎる後ろ盾を、
得ることに複雑な思いを抱く。
忍は・・・嫡妻という言葉と、
謙信の様子に困惑していた。
ただ謙信のみ、忍を片腕で抱きしめながら、
笑みを浮かべて酒を飲むのだった。