第21章 扇月の夜(今川義元)
忍「すいません・・・いやですよね・・・
面倒って聞きますし、
その血が出たりして、
それが穢れというのが、
あるでしょうし・・・」
義元「俺は別にそんなの気にしないけどね。
初めての女の子って綺麗だと思うし・・・
この春日山にそんな迷信、
気にするのはいないと思うけど・・・」
忍「そうでしょうか・・・?」
義元「そうだね。少なくとも、
謙信、信玄、幸村、佐助と後俺は、
初めての血が穢れなんて思わないと思うけどな
せいぜい戦狂いの謙信が、
その血に荒れるぐらいだと思うけど」
戦狂いの謙信が果たして、
破瓜の血で荒れるかどうかは別として、
信玄や幸村たちが、
それを気にするとも思えないなと義元は思った。
むしろ場数的な意味で、
信玄に頼むのが一番よさそうなのにと・・・
忍「荒れられても困ります」
義元「まあ、俺も謙信が荒れるのは遠慮したいかな」
義元は困った顔を少しだけする。
義元「夜になって湯あみをしてからもう一度おいで?
嫌ならいくらでも逃げていい。
その時は俺から謙信に言っておいてあげる」
義元のそんな言葉に、
忍は何とも言えない顔をした。