第20章 狐の手ほどき~後編~(明智光秀)
忍「み・・・光秀さ・・・それ・・・」
光秀「ああ・・・お前に触れていたらこうなった」
嘘はついていない。光秀も自分のモノの興奮具合に、
内心驚いていたのだから。
ああ、愛するものに触れるとは、
かくも抑えが聞かぬものなのかと・・・
安土の武将の中では色の経験は豊富な方だと思う。
だがあくまでそれは仕事としての色を含めてだ。
恋愛としての色は、
そういう欲はむしろ安土の武将の中では、
ないに等しいとそう思っていた。
だが今の自分はどうだ。
忍という小娘に翻弄されている自分はなんだ。
ああ・・・これが男の本能というものか・・・と・・・
光秀はそこまで思って、そこで考えるのをやめた。
きっと自分の欲は、自分が抱いている気持ちは、
そういう考えられるものではないだろうと、
そう思ったからだ。
そんな下らない考えに時間を使うより、
目の前の極上の餌をただひたすら貪りたいと、
光秀の中にある檻の箍が外れ、
獣が目覚めていく。