第16章 鬼の試練(森蘭丸)
忍の部屋
蘭丸「忍様。いらっしゃるでしょうか」
忍「蘭丸君?どうしたのこんな時間に」
蘭丸「急にごめん。中に入ってもいい?」
蘭丸の深刻そうな顔に忍は黙ってうなずく。
忍「でどうしたの?」
蘭丸はしばし悩んだ後、
部屋の外の気配をうかがうと、
忍の名前を静かに呼んだ。
蘭丸「忍」
蘭丸のその言葉に、
忍も外をうかがう。
忍「蘭丸。何かあったのね」
二人は、普段は蘭丸君、忍様と呼び合ってはいるが、
あくまで表向きの関係としてであった。
二人はお互いに、言えない秘密を共有する間柄である。
蘭丸「ごめん」
蘭丸は一言忍に謝る。