第12章 交換留学?(顕如の章)
信玄「やあ安土の姫。三日間ゆっくりしていってくれ」
謙信「なぜお前が仕切る」
忍「は・・・はい」
忍「安土の姫・・・か・・・」
忍はそんなことをつぶやきながら、
春日山城のそばの森を散歩していた。
そんな時そばでがさりという音がする。
忍はとっさに振り向くと、
音のした方角から一人の男が現れた。
??「お前は・・・」
忍「け・・・顕如さん!?」
現れたのは顕如その人だった。
自身が普段世話役をつとめる安土城の城主である、
織田信長に復讐をせんとその命を狙う男である。
忍「顕如さんどうしてここに?」
顕如「それはどちらかというと、
私の言葉なのだがな・・・
信長の寵姫がなぜここにいる?」
忍「それは・・・」
信長の寵姫という言葉に複雑そうな顔をしながら、
忍は顕如に越後にいる理由を話す。
顕如「上杉の忍びの仕業か・・・
よく謙信や信長が許したものだ」
忍「寵姫じゃないですから・・・」
顕如「だろうな。
寵姫なら三日といえど手放すはずはあるまい。
まるで玩具のようではないか。
お嬢さん。あの男のそばにいていいのか?」
顕如はそう聞いた。
第六天魔王の行いは、
忍によくないとそう思ったからだ。
忍「仕方ないじゃないですか・・・
信長様のそばにいないと、
私は身寄りがないんです」
忍は困ったように答える。
この時代の人間ではないのだからしょうがないと。