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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第1章 【The summer vacation ~Ronald~】


「じゃあ、いざとなったら居候させてもらうから、よろしくな、ロン」
「う、うん!任せてよ!!」

 差し出された手を、ロンはしっかりと握りしめた。その時、クリスの髪が金髪から明るい茶色へ、瞳の色もだんだん青から赤みを帯びた紫色に近づいている事に気が付いた。

「クリス!……君の髪の色が!」
「うん?ああ、そうか……そろそろ魔法が切れる時間か」

 クリスはロンの手を離すと、名残惜しそうに髪の毛に手をやった。長い髪の毛も、徐々に短くなってきている。

「残念だけど、今日はここまでの様だな。でもロン、今日は楽しかったよ。ありがとう」
「そんな、僕の方こそ……その、アイスまでご馳走になっちゃって」
「お礼なんだから、気にするな。さて、そろそろ帰ろうか」

 それから2人は、アイスクリームを食べながら帰り道を歩いた。漏れ鍋に着くころには、クリスの魔法はもうとっくにきれて、いつもの黒髪に赤い目をしたいつものクリスの姿に戻っていた。

「クリス、どうするの?まさかそのまま家に帰るの?」
「ふっふっふ、そんなヘマをするわけないだろう。ローブと洋服はカバンに入れて近くの交番に預けてある」
「交番に?どうして?」
「まず変装して、カバンを交番に届ける。そして変身が解けたらカバンを交番から受け取る。まさかあそこまで外見が違う人間が、同一人物だとは思うまい」

 なるほど、上手く考えたとロンは妙に納得してしまった。よくここまで悪知恵が働くものだ。2人は漏れ鍋の入り口で分かれると、クリスは大きく手を振って近くの交番まで走って行ってしまった。それを見届けてから、ロンも漏れ鍋の暖炉から隠れ穴に戻った。暖炉から出ると、双子が待っていましたと言う風にニヤニヤ笑いながら近づいてきた。

「おや、モテモテボーイが帰って来たみたいだな」
「それで?どこまでいったんだロン、せめて手ぐらい握れたのか?」

 ジョージの質問に、ロンはう~んとうなりながら考えた。

「……将来の約束まで?」

 思ってもみなかった弟の爆弾発言に、ウィーズリー家では半月ほど一代センセーショナルが巻き起こったという。
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