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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第9章 【リディクラス!!】


「どうした、ミス・グレイン」
「先生……ドラコのお手伝い、私にやらせてもらえませんか?これでも“婚約者”ですし、彼の腕が心配で心配で他の人には任せられないんです……」

 ドラコが汚い手を使うなら、こっちだって最大限の力を使ってやると思い、婚約者という所をキッチリと強調しながら、クリスはなるべくしおらしく、上目使いでスネイプに進言した。スネイプはなんとかこの申し出を断ろうとさせたが、クリスが目を潤ませると、仕方なく席を代わる様に指示した。ドラコはクリスとハリーの間に鍋を据えた。

「……ドラコ、明日その包帯を取ってこないと本当に縁を切るぞ」
「縁を切る、ねえ。そんな事をしてごらん、君たちのご友人のハグリッドはますます窮地に立たされるだろうね」
「お前ッ!ハグリッドを利用しようと言うのか?」
「利用しなくても、教職でいられるのももうじきだろう。父上は僕の怪我を快く思っておられないし……それに君も知っての通り、理事会にはもう話しは行っている。魔法省が動き出すのも時間の問題だろう」

 それを聞いていたハリーが、怒りに任せて死んだ芋虫の頭を切り落とした。その隣にいるロンも顔を髪の毛と同じように真っ赤にして怒っている。クリスでさえ手元がくるってあと少しで調合を間違えるところだった。
 どうにかしてドラコの調合を邪魔してやろうと考えていたその時、怒りで打ち震える3人のテーブルから数個先のテーブルで、ネビルがまたしても調合を間違えて問題を起こしていた。

 ネビルは『魔法薬学』が大の苦手で、いつもハーマイオニーかクリスが週によって代わる代わる交代で面倒を見ていた。今回はハーマイオニーの番だったのだが、何があったのか、上手くいけばネビルの鍋には明るい黄緑色の水薬が出来ているはずだったが、なんとオレンジ色の水薬が出来上がっていた。
 スネイプはそれを皆に見える様にひしゃくにすくうと、上からゆっくりと垂れ流した。

「オレンジ色か――ロングボトム。教えていただきたいものだ、いったいどうすれば君の分厚い頭蓋骨を通って私の指示がその小さな脳みそに届くのか……ネズミの脾臓は1つで良いと。黒板にも書いてあるはずだ、ヒルの汁はほんの少しで良いと。入学以来、君は私の授業で失敗をする以外何を学んできたんだね?」
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