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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第7章 【占い学と死神犬】


「敵の前で不覚を取るとはッ!しかし我は貴様ら小童どもを地に伏すまで戦いを続けるぞ!例えこの身が果てようと。それが騎士道と言うものだ!!」
「あの~、それより僕たち戦うよりも道を聞きたいんですけど……」

 これ以上こいつに付き合っていたら本当に遅刻してしまうと思ったハリーは、北塔への道を尋ねた。すると小太りな騎士は顔に付いた土を払って、まじまじと4人の顔を見た。

「なんとっ!我を狙う刺客ではなく冒険者達であったか!!」
「冒険者かどうかはともかく、僕たち北塔の天辺に行かないと授業に遅刻しちゃうんです」
「心得た!ならば我に続け!この道なき道を行き、危険を伴う旅にいざ行かんとす!!」

 そう言って剣を鞘に納めると、小太りな騎士は馬に跨ろうとした。だがまたしても失敗し、またずっこけると鎧に着いた土を払い落としてから、何事も無かったかのように拳を高々と上げて「うおー!」と叫ぶと額縁からひょいと居なくなった。
 このままでは置いて行かれると思った4人は急いで小太りな騎士の後を追った。騎士は階段に飾られている絵画の中に現れては消え、また現れては消えながら北塔への道を進んだ。
 最後の螺旋階段を、4人はゼイゼイ息を切らせて必死になって上った。その甲斐あって、やっと北塔の天辺まで辿り着くことが出来た。

「無事であったか、我が同輩達よ!」
「な……なんとか、ね」
「うむ!為らば良し!もしまた我の力を欲する時は、遠慮なく訪ねると良い。我が名はカドガン卿なり、さらば我が戦友達よ!!」
「――クリス、北塔までの道覚えた?」
「はあ……はあ……あぁ、もちろんだ」
「それじゃ、あいつにもう用は無いな。天性の馬鹿が必要な時以外は」

 カドガン卿が見えなくなってから、ロンが囁いた。
 北塔の天辺はもう生徒が集まっていたが、そこに教師の姿は無かった。皆どうやって教室に行っていいのか分からず、その場で立ち往生していた。きょろきょろ辺りを見回していたハーマイオニーが、天井を指さした。そこには真鍮の表札に『占い学―シビル・トレローニー教授―』と書かれていた。しかしどうやって教室に入れば良いのか分からない。
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