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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第34章 【新たなる出会い】


 そして翌日、ホグズミード駅からホグワーツ特急が発車した。相変わらず赤いピカピカの車体で、ボーっと白い煙を噴き出している。みんなトランクをパンパンにして、苦労しながら車両に乗せていた。列車が出発すると、ロンがある提案をした。

「ねえハリー、絶対に今年の夏こそ泊まりに来て。僕、パパとママに話してみるよ。今年の夏はクィディッチのワールド・カップがあるんだ!皆で一緒に行こう、最っ高に盛り上がるぜ!!」
「それは面白そうだね!!」
「あら?私は誘ってくれないの?」
「ハーマイオニーも行く?クリスは――」
「行かん」
「――だよね」

 ロンとハリー達がワイワイ騒いでいる間にも、列車は速度を上げ、景色が流れていった。ほろ苦い失恋に加え、トレローニー先生の予言や夢の事がショックでとてもじゃないが騒げる気分にはならなかった。

 昼にお菓子を沢山カートに積んだいつもの魔女が来ても、クリスはぼーっと景色を眺めていた。お昼も過ぎ、どれくらい経った頃だろうか、ハリーの肩辺りに何か小さくて丸い物が窓ガラスの向こう側からぴょこぴょこ見え隠れしてしていた。

「なあ、窓に何かいるぞ」

 ハリーが窓ガラスを開けると、その小さい生き物は風と共にコンパートメントに入って来た。よく見ると、小さなふくろうだった。嘴に手紙をくわえている。

「誰宛だろう?」

 ハリーが手紙を取り上げると、小さなふくろうはコンパートメント中を飛び回り、任務を果たしたことに興奮している様だった。
 4人はふくろうに気にも留めず、手紙を見た。手紙にはどこかで見た文字で『ハリーへ』と書いてある。ハリーが封を開けると、思わず叫び声を上げた。

「シリウスからだ!!」
「本当か!?」

 それを聞いて、流石のクリスも驚きの声を上げた。手紙にはこう書いてあった。
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