第24章 【ハーマイオニーの変貌】
ロンはさほど気に留めていなかったが、クリスは心配になった。そしてとうとう、ハーマイオニーは最後まで教室に姿を見せなかった。『呪文学』の授業では『元気の出る呪文』を習い、みんな魔法の余韻でニコニコしながら教室を出た。
ハリー、ロン、クリスはニコニコしながらもハーマイオニーを心配して、彼女のいそうな所を探した。だが、どこにもハーマイオニーの姿は無かった。一応『マートルのトイレ』も行ってみたが、来ていないと言われてますます心配になった。
だが談話室に行ってみると、ハーマイオニーは3人の心配もよそに『数占い学』の教科書を枕にスヤスヤ眠っていた。次の『占い学』まであと10分しかない。急がなければ遅刻してしまうので、少し可哀相だとも思ったが、気持ちよさそうに眠っているハーマイオニーの肩を揺さぶった。
「ハーマイオニー、起きて。もうすぐ『占い学』だよ」
「えっ――う、『占い学』なの?あれ、確かこの時間は――」
「ねえハーマイオニー、どうして『呪文学』に来なかったの?」
「あっ!そ、そうだったわ!私ったらなんて事なの!!」
ハーマイオニーは時間割を引っ張り出し、腕時計と見合わせて大きく目を見開いた。
「どうしよう!『呪文学』に出るのを忘れちゃったわ!!フリットウィック先生は何ておっしゃってた?ああ~、全部マルフォイの所為よ、あいつのこと考えていたら頭がパンクしちゃって!!私、今からフリットウィック先生の所へ行ってくるわ、それじゃあ皆『占い学』で会いましょう!」
言うが早いか、ハーマイオニーはカバンを掴んで談話室を出ていってしまった。仕方なく、3人は『占い学』の教室でハーマイオニーを待つことにした。授業が始まる直前、やっとハーマイオニーは『占い学』の教室にやって来た。酷く落ち込ん様子で、眉をハの字に曲げていた。
「私ったら何てこと……『元気の出る呪文』の授業に出なかったなんて。この呪文、絶対に試験に出るわ、フリットウィック先生がそんな事を言ってらしたもの。ああ、今日はなんてツイてないのかしら……」
「気にするなよハーマイオニー。ちょっとミスしただけじゃないか。聞いた限りだと、君は今までどのクラスでも皆勤賞だって。たった1つ授業に出られなかったからって大した事じゃないよ」
「いいえ、大した事よ!折角ミスのない様にマクゴナガル先生と計画したのに!!」