• テキストサイズ

ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第18章 【ナミダ・ナミダ・ナミダ】


 その後、4人でハグリッドの所に行こうという話しになった。折角教員になれたのに、今日は朝から姿を見ていない。何かあったのかと少し心配になった4人は、暖かいローブやマフラーを巻いてハグリッドの小屋を目指した。外は雪がちらついており、ハグリッド小屋に行くまでに身を寄せ合って歩いていった。

「ハグリッド、いる?」

 ハリーが扉をノックしたが、何の返事も無い。もしかしたらどこか買い物にでも出かけてしまったのかもしれない。ロンは諦めきれず何度もノックを繰り返し、大声でハグリッドの名前を叫んだ。すると、中からファングの泣き声が聞こえた。それと同時に、唸り声の様なものが聞こえる。

「中に誰かいるみたいだ」
「ハグリッド!!いたら返事をして!!」

 もう1度ハリーが叫びながら扉をノックすると、ドスッ…ドスッ…と足音がして、中からキィーッと音を立てて扉が開いた。ハグリッドはコガネムシの様な瞳から滝の様な涙を流し、仁王立ちでしゃくり上げていた。

「お、お、お前ぇさん達――」

 ハグリッドは急にハリーに抱きつくと、大声を上げて、うおんうおん泣きだした。ハリーは自分の2倍以上ある巨体に押しつぶされそうになり、苦しそうにしていた。ロン、クリス、ハーマイオニーの3人がかりでやっとハリーとハグリッドを引き離すと、ハグリッドはよろよろとイスに座り、手に手紙の様な物をクシャクシャに握りしめてテーブルに突っ伏した。

「どうしたの?ハグリッド」
「こっ、これを……これを見てくれ」

 ハグリッドが、握りつぶしたであろう、クシャクシャになった手紙を差し出した。しわを広げてみると、それは理事会からのお達しの様だった。


【ハグリッド殿】
 ヒッポグリフが貴殿の授業で生徒に怪我を負わせた件について、我々は貴殿に何の責任は無いと言うダンブルドア校長の保証を受け入れる事とする。
 しかし誠に遺憾ながら、我々は当ヒッポグリフに対し、危険性を伴うというルシウス・マルフォイ氏の正当な訴えを受け入れる事を決定致しました。これをもって、この件は『危険生物処理委員会』に付託し、貴殿は当ヒッポグリフと共にロンドンの当委員会事務所で事情聴取を行うむねをお伝えいたします。
 日程は後日ご連絡いたしますので、それまで当ヒッポグリフは隔離し、繋いでおかなければなりません。

/ 331ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp