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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第14章 【Shit】


 こうしたハーマイオニーの苦労の甲斐あって、午後1番の授業が始まる前には、クリスはいつもと同じ様子だった。しかし午後1番の授業が『占い学』という苦痛を満ちた授業だったので、今度はハリーの気分が沈む番だった。
トレローニー先生は、ハリーのタロット占いを見るたび、死神が憑りついていると言って来たし、その度にこの学科にのめり込んでいるパーバティとラベンダーは、その予言を信じ込み、なんとも言えない悲痛な目でハリーを見るようになった。

 その次の授業は、クリスとハーマイオニーは『マグル学』で、ハリーとロン『魔法生物飼育学』だった。むしろヒッポグリフの件で気を落としているハグリッドにこそ、慰めが必要だった。
 すっかり気分が落ちこんだハグリッドは、フロバーワームと言うレタスが主食の虫の世話をするだけの至極つまらない授業が続いた。ハリー、ロンはそれぞれ同じ組になって、フロバーワームに延々とレタスをあげ続けた。
 そしてやっと授業が終わると、ロンが文句を言いながら玄関ホールに入って行った。すると階段を下りてくるクリスとハーマイオニーとかち合った。

「あれ?ハーマイオニー、どうして僕らの後ろを歩いていたはずなのに、クリスと一緒にいるんだい?」
「何を言っているんだ?ハーマイオニーは私と一緒にマグル学の授業を受けていたぞ」
「どういう事?ハーマイオニー?」

 ハリーの問いに、ハーマイオニーは目を泳がせた。そして「早くしないと夕食が始まるわ」と言って、あからさまに3人を避けて大広間へと言ってしまった。

「どう思う?あれ」
「前から不思議に思ってたんだけどさ、いったいどうやって同じ時間に授業を2つも、3つも受けているんだろう。クリス、何か聞いてる?」
「さあ?私は何も聞いていないが?」

 それに、言っても答えてくれないだろう。とクリスが加えると、2人は唸りながらも、納得したように「確かに」と口をそろえた。
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