第38章 その手をいつまでもーR18ー(幸村)
途中から必死で、気持ちよくて、
抑えも加減も出来なくて、
華月を気遣う事も出来てなかった。
(初めてなのに…)
「ごめんっ、ごめんなっ、
俺、夢中で…激しくしたっ」
慌てて謝った。
すると、
「…違うの…嬉しくて…
好きだって思うと…
幸と…だって思うと…
嬉しくて…泣いちゃった。
…ちゃんと、最初 優しくしてくれたから…
痛くなかったよ」
華月はエヘヘと照れたように笑って、
涙を拭った。
ハァァ〜
「ビビったぁ…」
俺は安堵の溜息を大袈裟に吐いた。
夕暮れの日差しは輝きを失なって、
薄暗くなり始めていた。
私は腕枕をされて、幸くんの背中に腕を回し、抱きついていた。
「幸…次も一緒に居れるかな?」
「ん?当たり前だろ。
次はこんな痣も残されねぇよ」
そう言って幸くんが私の手の甲の痣を撫でた。
「残ってたら、やっぱり、幸に貰ってもらうから大丈夫だねっ」
「お?う?」
ふふふふふふ
幸せそうに笑う大切な人。
「幸、大好き」
笑い返す大切な瞬間。
「俺もだ。ようやく、手に入れた」
『末長くよろしくお願いします』
『ああ、幸せにする。よろしくな』
あの時守れなかった約束。
ようやく守れた約束。
「俺が幸せにする」
「よろしくね!」
ー了ー