第17章 雨と紫陽花 R18 ー前ー (信長)
その擽ったさに、華月は身動ぎした。
「秀吉のヤツが煩くて、
最近、金平糖をあまり喰てない。
甘味はお前で我慢するとしよう」
信長の掌が華月の頬を滑って、
顎を掬い上げる。
「…ンッ…ちゅ…」
上向かされて、唇を塞がれた。
「私、そんなに甘くないと思いますよ?」
首だけ振り返り、得意気な表情の信長を見上げ、
華月は頬を染めた。
「貴様は、自分が思っておるより、甘く出来ておる」
信長が、摘み食いをする様に、もう一度チュッと口付けた。
更に口付けようとすると、華月は
顔を夕日のようにして俯こうとした。