第11章 イジワル震源地(家康)
「馬鹿だね…好きじゃなきゃ、映画館になんて付き合わないし…。
ましてや、さっきみたいなコト、しない」
腕に抱きしめて、背中越しにそう言い切ると、
「さっき……」
華月が、顔を上げて俺を見た。
「ー……さっ……っっ////」
思い出したみたいだ。
顔を真っ赤にして、それを俺の肩に隠すように押し付けた。
俺は華月の髪を梳きながら言う。
「華月、好きだ。
アンタが思ってるより、ずっと、アンタの事、好きなんだよ、俺…」
白状する。
「うん…」
「不安にさせて、ゴメン」
「うん、うん…好き、好き…家康」
なんとか、笑ってくれた。
もう1度、ぎゅぅっと抱き締めた。