第4章 第一夜
――――――……
「……」
意外な手紙の内容だったため未だに驚きが隠せない悠太
何よりも驚きが隠せないのが夕紀が奏と10年前から関わっていたこと
「水城が…10年前に母さんに助けられた…だと…?」
10年前というと悠太や奏たちがまだ6、7歳頃だ
そんな昔から二人が関わっていたことは華澄と圭斗ももちろん知らない
そして、10年前に奏がこんなツラい過去があったということもだ…
(だから、水城はオレが中学のときに母さんが亡くなったことを知ってたのか…)
彼の心の中で引っ掛かっていた疑問が解決した
因果関係が見付からず、ずっと辻褄が合わないと思っていたのだ
「……」
悠太は自分の部屋に出て夕紀の部屋に入る
夕紀の部屋はまるで書斎のようにたくさんの本が棚に置いてある
きちんと整理されていて仕事用や家庭用などに分類している
「確か…この辺に…」
悠太はある棚に行き本を探しだす
「あっ…あった」
指でなぞりながらいくとある一冊のところで止まる
そこにはなんのタイトルも書かれていない本が二冊あった
そのうちの赤い本を取りだし開くのだった