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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第93章 〝私〟について(その1)


れい、と呼ぶと答えてくれるこの人が、多分、否、間違いなく私が求めている人なのだろう。
だけど、拭えない違和感の正体もわからない。
自分から抱きついたのだけど、なんとなく気まずくなって腕を解くと、安室さんは引き止めることなく体が離れてしまう。――しまうってなんだ、自分から離れたのに。
ぎこちない沈黙の気まずさに、先輩たちまで巻き込んでいるようで、申し訳ない気持ちになる。

「えっ、と……突然家出した身分で申し訳ないのですが、その」

また安室さんの家に戻ってもいいですか。
そう訊ねるのが正しいのか分からなかった。

「……昨夜はどちらに泊まられたんです?」
「あ、それは」
「新一兄ちゃんの家だよ。○○姉ちゃんが安室さんの家に長居できないから九州に引越しするって聞いたから僕が引き止めた」
「あれ、でもあそこは昴さんが」
「もちろん、昴さんが昨日はいなかったからね。病院で○○姉ちゃんが困っていたから。だよね?」
「あ、はい、そうですごめんなさい」

余計なことを言わないでと言われた気がした。
……もちろん、余計な関係なのだろう、私と彼は。
安心を覚えるのと同時に罪悪感を覚えていたあの時間は、……

「そんなに行き先がないなら、俺たちの家に記憶が戻るまで泊まったら良いんじゃないか」

記憶がないのに男といるのは気まずいだろう、そういう意味で言ってくれた先輩が、何故かとても神のように崇めたくなるほど感謝の気持ちでいっぱいになった。

「そうですよ! ○○さんなら私もコナン君も大歓迎です! 部屋に余裕は……寝るのは私と同じ部屋でも良いですか? ○○さん、これまでもたまに泊まったことありますから」

それは、それは――願ったり叶ったりのような気も、する。
自然と確認をするように安室さんへ視線を向けると「どうぞ」と静かに告げられた。
……いい、のだろうか。
もう一度彼の家に戻るべきではないだろうか。そう思うが、……

「俺たちはお前にいなくなられる方が困るんだ」

〝先輩〟が、そう言ってくださるから。

「…………前にも、こういうことありましたか?」
「ああ、お前が警察官を辞めてフラフラしていた時にな」
「私警察官だったんですか」
「ああ」


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