第4章 “暗青の月”(ダークブルームーン)と“力”(ストレングス)
自分はどうでもいい。エリナに対する侮辱が許せん
確かそんな風なセリフを吐いて、あのジョナサン・ジョースター…ジョジョは俺に立ち向かってきた
この俺に一生勝てない間抜けが
だがソイツは、そのカスはこのDIOに何発も拳を振るった
あれほどの爆発力があるとは
正直、油断した。己の思い込みを悟った
忘れたいほど屈辱な出来事
いや、覚えているからこそ今の俺がいる
ジョースターは決して手加減はせずこの手で始末する。今度は逃がさん
そしてあの小娘の“スタンド”
実際この目で初めて見たとき、他とは明らかに違い印象深かったのをよく覚えている
だが、部下を倒されたのは事実
中でも希少な動物を失ったのは残念だ
皮肉なことに、本物の動物がスタンド動物に倒されたとは
奴の目的は察しがつく。ならばこちらから献上してやろう
「エンヤ婆。向かわせたスタンド使いに、“アイツ”も加えろ。小娘の“因縁の敵”でもある。その方が互いに都合がいい」
エンヤ婆は不敵な笑みを浮かべた。
「仰せの通りに。“あやつ”は「以前は油断した」などとほざきましたが、今度こそDIO様のお望みを叶えるでしょう」
狙いたい獲物があるなら、それが一番欲するエサでおびき寄せるだけ。
「それだけではございません。どの者も強力なものばかり。しかも、
・・・・ ・・・
そのうちのひとりは、わしの息子じゃ!
息子の右腕が、奴らを始末するでしょう!ヒヒヒー」
不気味な薄笑い。
この暗闇の空間にすごく似合うほど、この老婆は悪党の素質を持つ。
DIOに気に入られているだけはある。
「フン!変わった老婆だ…お前の欲しいものはなんだ?」
「何度も言いましたじゃろう。あなた様のおそばにいるのが望み…スタンドとは守護霊のこと…あなたの守護霊はとてつもない力を持っている。悪運のつよい変わった人生も、その影響じゃ!
あなたの人生を見てみたい!それだけですじゃ…」
DIOは本棚から新しい本を取って、部屋を立ち去った。
左首筋の星のあざにそっと触れた。
あの小娘が…どういう経緯であちら側についたかは知らんが、
・・・・・・・
どちらだろうとどうでもいい
断言できるのは
今の由来では、“アイツ”に勝てない
何にせよ、今までとやることは変わりない
たとえ、“裏切り者”だろうと…な