• テキストサイズ

白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第11章 そんな言葉じゃあない



(私に話だって?)

ジョースターさんなしで?

考えられるのは、私が敵に誰かと勘違いされていることか。

このことは承太郎しか知らないから、ジョースターさん抜きで話そうということか。

それかあれのことか、それともこれのことか。

色々と考えられることはあるが、承太郎の希望ならむやみに逆らえない。

「じゃが承太郎。由来も目覚めたばかりだ。まだ休ませた方が……」

「いえ。話すだけならベッドの上でもできます。私からもお願いします、ジョースターさん」

ジョセフは由来の左目と目を合わせた。

(……同世代で通じやすい話もあるということか)

さらにあの承太郎がわしに頼みごとをするほどだから、何かとても重要なことだと、ジョセフは察した。

承太郎はポルナレフとは違って理性的で行動一つ一つに必ず意味がある。

孫にしか聞けんこともあるということか。

(由来にとって承太郎は一番心を許せる奴もしれんからな……)

「…分かった。わしはアヴドゥルの墓を作っておく。10分後には戻る」

ジョセフは空気を読んで、部屋から退室した。


ゴゴゴゴゴゴ

第三者がいなくなった途端、私は緊張感に襲われて心臓の鼓動が早くなり、胃が痛くなってきた。

誰かとマンツーマンで話すことは苦手だから。表情が全く読めない承太郎となら、なおさらだ。

普通の女の子なら好男子の承太郎相手にドキドキするのだが、由来は別の意味でドキドキしてた。

(私がDIOの仲間という嫌疑が晴れていないのか……)

「お前の言うことを信じる」と承太郎は言ってくれたけど、信用ってのはそう簡単にできるもんじゃあない。

私もそうだったから、よく分かる。

一応、殴られる覚悟もしておこう。私の因縁に巻き込んだのは事実だから。

(あれ?一向に話しかけてこない…?)

不審に思って顔を上げたら、いつの間にか彼の姿がなかった。

(え、どこ…?)

ギシッ

「!」

ベッドが軋む音がした。

承太郎はベッドの上で片膝立ちして私に近寄り、私の右頬に手を寄せた。

「よく見せてみろ」

前髪の右横あたりをかき分けて、眼帯をしている右目をじっくり見た。

承太郎は私のこめかみあたりを優しく撫でた。

喧嘩で相手を殴り倒し、いつも暴力沙汰にしている手とは思えなかった。

/ 443ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp