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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第15章 Purple Anemone -あなたを信じて待つ-





「その小説、どんなお話なのですか?」

「恋愛小説だ。生まれつき心臓が悪く、何をするにも不自由を強いられてきた主人公の若い女と、そんな彼女の心を開き、寄り添った優しい男の話だ。2人は恋仲になり、短くも幸せに暮らしましたとさ……なら良かったんだがな」


彼はパラパラとページをめくる。


「…最後はどうなりましたか?」

「主人公の心臓の病は奇跡的に完治し、彼女はその恋人を待っていた。またいつものように会えると思っているが、男が現れることは永遠にないだろう」

「…もう、この世にいないから?」


彼は手を止め、こくりと頷いた。


「だが、それを主人公が知ることはない。彼女に会いに行く途中で事故に遭った男は自らの死を悟り、彼女に心臓の一部をあげてしまったんだ。ただ空を見上げながら、主人公はただ永遠に恋人を待ち続ける…」


悲しいお話。

彼が言ったように、幸せに暮らしましたで終わった方がハッピーエンドな気がする。


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