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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第9章 Tutsan -悲しみは続かない-





「てゆーか、傷つけてくる奴らに抵抗するのって普通じゃない?殺されるのを黙って受け入れる方がどうかしてるよ。…ま、オレは仕事の関係上、そういうのあんまり関係ないけどさ」


彼の言っていることが至極真っ当に思えた。

傷つけられているのに無抵抗が…美しいわけない。

生きるために抗うことの方が、美しいに決まってる。


「オレはキミが泣いてるのをもう見たくない」

「私が…泣くのを?」


初めてそんなふうに言われたものだから、思わず目を丸くしてイルミ様を見つめる。


「キミが泣いたり怒ったり困ってたり嬉しそうにしてたり…短期間にいろんな顔を見てきたけど、オレに笑ってくれた時のキミの表情だけがずっと頭に焼き付いてる。オレに笑ってくれる人ってあんまりいないから…。だから…また笑った顔を見せて」


イルミ様が私の頬を撫でる。


「ね、リリィ」


そう言ったイルミ様の声音は優しくて…。

見たこともないほど愛おしそうな柔和な微笑みに胸がいっぱいになって、私も同じように微笑んで頷く。


リリィーー…

ユリの花ーー…


これからはその花に相応しい人になろう。

美しく、真っ白で、強い人間でいよう…。

あなたがくれた、この美しい心と共にーー…


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