【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第8章 Water lily -信頼-
すると、その内の一人ー…茶色い短髪の眠たげな目をした男性が、私を冷たい目で見つめながらスマホで誰かに電話をかける。
「侵入者発見。これより捕獲、移送します」
彼はそれだけ言うと、スマホを切った。
「連行しろ」
「きゃ!?」
周りにいた燕尾服の男性が私の腕を掴んだ。
「な、何するんですか!?」
「いいから歩け」
質問は足蹴にされ、私は引っ張られるように車の方へ歩かされる。
「あ、あなた方も私を殺そうとするの…?」
すると、茶髪の男が私の方に振り返り、無表情のまま答える。
「殺すか殺さないかはお前次第だ。ゾルディック家の敷地に無断で入り、ミケまでも手懐けるとは…。危険だ」
「ミケ…?」
男の視線を追い、私は背後にいる狼さんの方を見上げる。
狼さん…ミケちゃんはドス黒い目をしながら唸り声も上げず、今にも飛びかかりそうな勢いで男たちを睨みつけている。
「ミケは我々には襲ってこない。そう訓練されている。さぁ、一緒に来てもらおうか」
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