第10章 赤色の出逢い
夢杏side
ー買い出し中
貴『えーっと…これも買ったしあれも買った。大丈夫!』
頼まれた物が書かれている紙を確認してレジに向かった。
レジを済ませ、学校に向かう。
貴『…』
大丈夫だろうか
でも涼介の知り合いはみんなサッカー部だったはず。
私の過去を知っている人とはもう会いたくない
思い出したくない
東京といっても広いしさすがに会わないよね…
不安が襲う。
色んなことを考えながら歩いたら、石につまずいた。
貴『あっ!!やば!!』
袋に入っていたりんごがコロコロコロと転がっていく。
貴『(漫画みたいな展開)』
そんな事を思いながらしゃがみ、拾った。
…「はい。これ。」
見上げると、赤いジャージに金髪。
貴『(同い年くらいかな?)あ、ありがとう!!』
…「うん。」
そう言うと近くの石に座って携帯を触り出した。
貴『えっと…見ないジャージだね!!県外から来たの?!』
…「あ、うん。東京…」
貴『!!!!』
"東京"
その言葉でまた胸が"ドクン"っとなった。
手が無意識に震える。
恐る恐る聞いた。
貴『…さ、サッカー部…?』
…「いや、違うけど。バレー部。てゆうか、顔色悪いけど大丈夫?」
必死で動揺を隠そうと笑顔で答える夢杏
貴『ば!バレー部かあ!!顔色?!大丈夫大丈夫!!私も、バレーのマネやってるんだぁ!神崎夢杏よろしくね!ニコッ』
…「あ、うん…俺は…孤爪…」
貴『孤爪??名前??』
…「孤爪…研磨…」
貴『研磨か〜!!私、烏野高校の1年!研磨、高校は?!ポジションは?!』
研『俺、音駒の2年。セッターやってる」
貴『ね、音駒?!?!あっっ、2年生!!!すみません!!同い年くらいかと思って!』
研「いいよ別に。体育会系の上下関係とかあんま好きじゃない。タメ口でいいよ。呼び方も、研磨でいい」
貴『わ、わかった!今日うちと練習試合だよね!!』
研「そうだね。」
貴『楽しみ!!研磨の学校、強い?!』
研「うーん。前は強かったみたい。
でも1回衰えて、でも今は…強いと思うよ」
研磨が言った後、"ビュー"っと風が吹いた。
貴『か、かっこいい!!』
研「え?」
貴『かっこいいね!!研磨!!』
興奮して話す夢杏に
研「なにが?」