第5章 ぼくの名前を呼んで
「あーるじ!遊びに来たよ!!」
外から清光の声が聞こえる。
また会いに来てくれたんだ。
嬉しいな。
沖田組の二人と出会って、はやくも一週間がたった。
二人とも毎日のように
離れの方まで遊びにきてくれる。
相変わらず、
他の刀剣男士との関係は変わらない。
これじゃあ、だめだよね…
『いらっしゃい、清光。安定。』
いつものように二人を笑顔で出迎えて驚く。
離れの外には清光と安定の他に、
大きな虎を連れた五虎退と今剣がいた。
え、えっと…会いに来てくれたってこと…?
混乱して、何も言えずにいる私を察して、
清光が助け舟をだしてくれる。
「主、二人がだれかわかる?」
清光がその言葉とともに、
大丈夫だよとでもいうように目配せしてくれる。
清光、ありがとう…
もう大丈夫だよ。
そんな気持ちをこめて、
軽く深呼吸をして笑ってみせる。
『もちろん、わかるよ。
五虎退に、今剣でしょ?』
「は、はい。そうです。あるじさま。」
そう言って、
ふわっと微笑んでくれる五虎退。
「あたりです…」
今剣は、なんだか不服そうだ。
「僕たち、あるじさまに会いたくて…
それで、加州さんと大和守さんに連れてきてもらったんです。」
「ぼくはちがいます!
あなたにあいたくてきたんじゃありません!
ごこたいくんのかんしです!」
『そ、そうなんだ…
でも、二人にまた会えて嬉しいな。』
今剣の私を見る目は変わらず厳しい。
けど、仲良くなれるといいな。
「お菓子持ってきたからさ、みんなで食べない?」
『食べる!!』
清光の言葉を合図に、
私達は離れの中に入った。