第6章 一転
「一緒に寝ましょうか。」
「いやいや、それは!!」
「どうしてですか?恋人同士なのに?」
不定期の恋人生活がスタートした。そんな短い期間でいいのか分からないけれど安室さんは自信があるらしい。
そんな中、安室さんの寝室に呼びされて行った所、なんと一緒に寝ようというお誘いを受けてしまった。そんなまだ1日しか経ってないのに……。
思いながらも拒否していると何だか拗ねたような顔をされた。
「元彼とは、寝たことあるんですか?もしかして、怖いのですか?でしたら、すみません。」
「い、一応は……、でも、寝るだけだったら何もされない時の方が多かったですけれど。」
「?、どういうことですか?」
「なんだか疲れていたそうです。」
安室さんが近づいてきて、そのまま抱っこをされて優しくベットに降ろされた。その一連の流れがスマート過ぎて驚きが止まらない。考えるスキも与えてくれなかった。
私の隣に寝転びニヤリと笑われてそこにもキュンっときて、本当にギャップ萌えというものをしている。
「どこか職にでも付いていたのですか?」
「なんだか、工場とか運ぶとか聞いたことはありますので運送のお仕事だと思います!だから、夜も遅かった時もありますし。」
「へぇ。」
きっとトラックの運転手だったと思う。夜も仕事だ。と言っていた時が多かったから。という単純な思考回路だけどもそれしか考えられない。
というか、安室さんのベット寝心地がすごく良い。ふわふわしすぎず、硬すぎず。しかし、体が沈む感触はする。
良いベットだなと思っていたけれど、安室さんの部屋のベットもいい感じ。
「あぁ〜!」
「うん、どうしたのですか?」
急に声を上げた安室さん。様子を伺っていると口を尖らせ、私を見た。
「自分で聞いたのもなんですが、少し嫉妬してしまいました。」
「最悪な元彼だとは言え、雪花さんが忘れてないということも。」と本当に拗ねたように言われた。
か、かわいい……もうすぐに30歳なる男性なのにすごく可愛いと思ってしまった。