第4章 なぐさめから
気を失った私は、そのまま病院へ行き治療をしてもらった。軽い打撲で命に別状はないとのこと。
そのあと、取り調べを受けて"元"彼の逮捕を決まった。
母も父もびっくり仰天。ボロボロの私を見ては、抱きしめ私以上に泣いていてそれにもびっくり仰天をする。
何故か、私は泣けなくて震える父や母の体を抱きしめ返した。
「一緒に暮らそうか……?」
「……ううん、転職してここからお引っ越しをするから平気だよ。でも、何日かは帰るよ。」
本当は母と父と暮らそうとしていたがやめた。
私は強い女になるんだ。カウンセリングを受けながら、1人でも自立できるように。心配そうにしている母と父に笑いかけては事故現場になったアパートに帰る。
住人に謝るのと……いや、それよりも安室さんに会いたい。
あの後から一度も安室さんには会ってないのだ。お礼も言いたいのに、あっちも忙しくこっちも忙しかったので会えなかった。
よし、家に帰ったら連絡させてもらおう。
そして、毛利さんにも安室さんにもお礼を言うんだ。
そう心に決めて、駅から自分の家まで帰るとアパートの前には見覚えのある白い車。
「お久しぶりです。」
「!、安室さん!?」
窓ガラスが開いたと思えば、中には安室さんが運転席へ座っていた。そこに走って近づくと「乗ってください。」と声をかけられたので助手席のドアを開けて座りこんだ。