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【ヒロアカ】自己犠牲ヒーロー

第9章 爪の垢を煎じて飲みたい


ヒーロー達はエンプレスを拘束して庭に出る。

庭に出ると

「うわあああああああああんん!!!」

ぼろぼろに泣いている男が警察数人と立っていた。
シェイドが分かりやすく眉間に皺を寄せて舌打ちをした姿をデクは見逃さなかった。否、この場の皆が見逃さなかった。

「シェイドー!ぶじでよがっだああ!!」

警察は泣く男は気にせずにエンプレスを連れて行った。
まだパトカーが数台残っているのは、この事件に関わった彼らも取り調べするよう言われてるから。庭で話す彼らをしっかり待ってくれている。

一方、庭では

「あのぅ、どちら様で?」

烈怒頼雄斗が恐る恐る尋ね、泣く男は素直に答える。

「ぐすん、申し遅れました。うっ、シェイドの従兄弟の、うぐっ春香です。この度は、うううう」

名乗った後が継げない情けない春香にシェイドは助け舟も出さない。

『ところで皆さん。不本意ながら、誰かさんの代わりに、私が事件の真相を説明します。不本意ながら』

大事な事なのでシェイドは2度言った。

『彼女は自身を落とした雄英高校を憎んで、このような形で世間から殺そうとして、こうなりました。それからイヤホン=ジャックさん。貴女の素晴らしい機転により、子供は無事、両親の元へ送り届けられました。感謝いたします』

シェイドが深々と頭を下げると、イヤホン=ジャックは「痛み入ります」と返した。
すると、シェイドの目から正気が消え、

『私、話すの苦手なので、適当に質問してください。奴のことは大体答えれます』

自分から語らない意思表示をした。

「じゃあ僕からいくつか」

デクはゆっくり手を挙げて口を開いた。

「敵(ヴィラン)が殺人を繰り返した動機は?」
『どうして聞くんですか?』
「…………仕事なので」

デクは何かを飲み込んだ。
シェイドはおもむろに地面を指した。

『これです』

シェイドの影を注視するとぐるんと360度回転した。シェイドの影が独りで動いた。

「ぎゃあああああ!!」

イヤホン=ジャックの声が響いた。



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