第2章 オーケアノスの神殿
アールは勢いよく振り下ろした。
ズバッ 〈オーケアノス〉の首が飛んだ。
「さて、〈エーレクトラー〉の首も頂いておくか~」〈オーケアノス〉の首を拾うとアールは〈エーレクトラー〉の首も切って拾い上げた。
「ヒヨッコ、ちょっと〈エーレクトラー〉の首を持ってて。」そう言って私に首を手渡した。
「ゔっ…目、開いたまま…」私は首を手に取ると吐きそうになった。
「流石、〈海の神、オーケアノス〉だな~瞳の色が深い青色だ~ほら。」返り血だらけのアールの手には〈オーケアノス〉の瞳があった…「ほんとに綺麗な深い青色だけど…アール早く、これ…」私はアールに〈エーレクトラー〉の首を渡した。
「は~〈エーレクトラー〉の瞳もかなり綺麗なエメラルド色だよ~ほら。」今度は〈エーレクトラー〉の瞳を私に見せてきた。
「た、確かに綺麗だけど…早く行きません?」私は口と鼻を手で覆いながらそう言った。
「じゃ、早くおっちゃんとこ行こか~」そう言ってアールは出入口とは反対の窓の方へ歩き出した。
「ちょっと…アール、出入口はこっちですよ?」私は少し焦りながらもアールの後を歩くと突然アールは バリンッ 窓ガラスを蹴破りー。
「こっから飛び降りたらおっちゃんの船の上だよ!」ニヤッと少し楽しそうに笑うアール。
「アール…あなた、イカれてますよ!」アールに抱えられ私とアールは神殿の最上階から飛び降りた。
ゴンッ 地面に勢いよく叩きつけらる音がした。
「ヒヨッコ~怖かった?」優しいアールの声が私の耳に入ると私はゆっくりと目を開けた。
「アール…私…」それだけを話すと私の身体中から力が抜けたのか気を失った。
「……いの…若い…若いの!」おじさんの声がして私が目を覚ましたのは何故かベッドの上だ。
「ここは…?」薄く開いた目で周りを見渡す。
「ここは俺様の家だ。お前さん長い間気を失っておったんだぞ?」おじさんが私の額に冷たい布を置きながら色々話してくれた。
どうやら、私はアールに抱きかかえられたまま船まで運んでもらっていたようだ。そして、おじさんの船が港に着くとアールはまた私を抱えておじさんの家に入り娘さんのベッドを借りてそこに寝かせられていたらしい。
「そう…あ、アールは?!」私は慌てておじさんに聞いた。
「あ~アールなら今闇武器屋に行っとるぞ?」おじさんはそう言った。
「闇武器屋?」私は首を傾げた。