第7章 海の上
権五「………確かに、覚えてねぇな。だが、敵討ちなら付き合ってやるよ……」
賊「うおおぉぉぉおお!!!」
首「権五郎火!!」
キィンと刀の音が響いた。
でも、それは権五郎火が止めた音じゃなく、私が止めた音だった。素手で。
賊「なっ!!か、刀を素手で…………!!」
権五「涙雨?!」
涙「………割り込んじゃってごめんね~。でもねぇ、敵討ちほどバカなもんは無いよ~。」
賊「ばっ、バカだと?!関係ないお前に何がわかるって………!」
涙「わかるよ。私も同じだから。」
賊「なっ…………」
涙「わざわざ敵わない相手に向かって行って、死んでなんの意味があるわけ?本気で敵討ちたいんなら、もっと強くなんなさいよ。」
賊「くっ………………くそぉっ………!!」
賊は、その場に崩れ落ちた。