第4章 男子会・春日山城城下の大衆食堂に於いて
そっか。そーだよな。
今日、わざわざこんな茶番劇を仕組んで佐助を焚きつけたのも、二人とも俺と同じ気持ちで……
ん?待てよ。
茶番劇…
なんで俺だけ蚊帳の外だったんだ?
お陰で俺は………っ!
「いやー、それにしてもここに来るまでが長かったな。佐助の奥手さにはほんとーに参ったよ。加えて莉菜も初心だから側から見ていて焦れったくて仕方なかった。ハナから両思いなのに」
「やはり佐助は本来、恋だの愛だのには向いていないのだ。女が原因で仕事や戦でトチることが無いよう俺が直々に鍛え直してやろう」
疎外感に震える俺をよそに、わいわい盛り上がる男二人。
くそっ、面白くねー!!!
あー、
ちなみにこれは余談だが。
信玄様が草履の礼の口付けをねだったとき、
莉菜は即座に断ったらしい。
代わりに鞄の中から小さな飴玉を出し、信玄様に渡したんだと。
安心しろ佐助。
莉菜はそーゆう女みてーだ。
ー おしまい・あとがきへ続く ー