第2章 ***
「私…いつも素直になれなくて言えなかったけど……子供の頃からずっと圭太の事が好きだったんだよ?」
「っ…」
上目遣いでそんな事を言ってくる明莉。
今まで彼女の事を女として見た事などなかったが、不覚にもドキドキしてしまった。
(…コイツってこんなに可愛かったっけ…?)
「さっきは圭太を挑発するような事言っちゃったけど……私ホントはまだ処女だし…」
「…そ、そうなのか…?」
「だって…初めては絶対圭太がいいもん」
「っ…」
そんないじらしい事を言われたら俺は…
「ストーップ!」
「…!」
明莉と何となくイイ雰囲気になっていると、それを壊すように西園寺さんが口を挟んでくる。
「私の存在も忘れないでくれる?」
「……、西園寺さん…」
「坂上くんが好きなのは私でしょう?…私だったら、最高に気持ち良く坂上くんの童貞を卒業させてあげられるわよ?」
「っ…」
そう言って豊満な胸を俺の腕に押し付けてきた。
たったそれだけの事で、また元気良く復活してしまう俺のモノ…
「ちょっと西園寺!アンタは別に圭太じゃなくてもイイでしょ!私は圭太じゃなきゃ嫌なの!」
「さっきも言ったけど…私だってずっと彼の事狙ってたのよ?私に取られそうになったからって急に告白するのは狡いんじゃない?」
「そ、それは…」
「坂上くんが望むなら、私がずーっと飼って可愛がってあげる」
「何言ってんの、圭太は犬や猫じゃないんだから!」
その後も俺を置き去りにして、彼女たちは言い争いを続けた。
すっかり蚊帳の外に出されたと思っていた時、突然2人がこちらへ視線を戻してきて…
「こうなったら圭太に決めてもらおうよ」
「……え?」
「そうね…それがいいわ」
「…ええ!?」
「私とこのビッチ…圭太はどっちを選ぶの?」
「処女なんてみんなマグロよ?私と気持ちイイHしましょ?」
「い、いや……俺は…」
焦る俺にじりじりと迫ってくる2人…
こんな状況、男なら喜ぶべき事なのかもしれないけれど。
「か、勘弁して下さい…!」
「あっ…、ちょっと圭太!」
「逃がさないわよ!」
両手に花、ならぬ両手に"薔薇"…
だって、綺麗な薔薇には必ず棘があるのだから…
了