第4章 西方組織抗争
二人の捕虜を構成員に任せ
私は一人、与えられた部屋へ戻ってきていた。
時計は五時を回っていた。
自分の椅子に座りふぅと息を吐く。
何も音のないシーンとした部屋。
机に伏せて目を閉じた。
● ● ●
中也が執務室に入ると
机にうつ伏せに寝ている葉月の姿があった。
「おい、葉月!風邪引くだろ」
声を掛けたが起きる気配はない。
「ッたく…」
中也は葉月を抱き上げ、隣の仮眠室へと連れて行く。
起こさない様に慎重に運び、ベッドに寝かせた。
「手前は本当に何時も無理しやがる」
サラリと葉月の頭を撫でた。
「気付いてねェだろ?あの日から手前は仮面を被ったままだ」
ゆっくりと頰に触れる。
「なァ、葉月。
俺は待ってる。手前が其の仮面を外して心から笑える日を。
其の時はーーー」
中也は何かを囁き、葉月の髪を撫でて部屋を出た。