第3章 【SS】中原中也の幹部昇進祝賀会
ーー次の日
恐る恐る執務室の扉を開けた。
「……おはようございます」
中也は机に突っ伏していた。
「…中也さん?」
ガバッと起き上がった中也は
私に気が付き痛みに歪んだ顔で言った。
「ッ!おはよ。
なんか二日酔いでよォ。
あんまり昨日の記憶ないンだが
俺何かしたか?」
私はその言葉にホッとして
「何も無かったですよ」と笑顔で答えた。
「いま二日酔いに効く薬、持ってきますね」
そう言って給湯室に入って行った私を
少し寂しそうに見ていた中也の視線に
私は気がつかなかった。
念のため持ってきていたしじみの味噌汁を
カップに移して中也に運んだ。
「どうぞ」
「有難うな。
……手作りか?」
「そうですけど?」
中也はその後は答えずに黙ってしじみの味噌汁を飲んでいた。
コンコンッーー
「中原幹部。失礼致します。
首領がお呼びです。
萩原さんと共にお出で下さい」
「わかった。直ぐ向かう。
葉月、行くぞ」
「はい。中也さん」
中也の後に続き私も部屋を出て首領の元へと向かった。
【中原中也の幹部昇進祝賀会】完