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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第2章 黒の時代


二日後
もう葉琉たちがくることもなく、私が逃げ出さないということが認められ
謹慎が解けた。

首領からの招集で
本部の最上階に向かった。

「萩原葉月です」

そう云うと静かに扉が開いた。

「やぁ。葉月ちゃん。
少しは休めたかい?」

相変わらず不敵な笑みを浮かべた首領が言った。

「はい。お陰様で」

そう短く答えると
首領はよろしい。と笑って懐から封筒を取り出した。

「君はここを出て行くことはできない。
何故なら、此処にいることが君にとっての
論理的最適解だと解っているからだ。
そんな君に、プレゼントだ」

そう言って封筒を渡された。

「失礼します」

と告げて封筒の中身を確認した。

そこには
フョードル・ドストエフスキーと書かれた文字と
写真が貼られていた。

「ポートマフィアで掴んだ情報だ。
彼が自らの手で殺したか、影で操って殺させたかかは不明だが
萩原朔太郎氏を殺したのは間違いない」

私は大きく見開いた目を首領に向けた。

「何故、いまこれを私に?」

そう尋ねると
首領はワイングラスを回しながら答えた。

「君が此処から出ていかないのは解っているからね。
それは御褒美だよ」

「……御褒美?」

訳が解らなかった。

「そう。
私の台本を予測できたことへの。ね」

首領は楽しそうに笑っていた。

「さぁ。戻り給え。
中也君が心配していたよ」

私は小さく
失礼します。
と呟いてその場を離れた。
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