第2章 黒の時代
「ンで?何考えてたんだ?」
中也は正面を向きながら助手席に座る私に声を掛けた。
私は中也をみて目をパチクリさせた。
「先刻だよ!声掛けても気付かなかった時!
何か考えてたンだろ?」
その言葉にもう一度考えていた事を思い返した。
中也に伝えるか、やめておくか。
いや、やめておこう。
この考えはまだ未熟な私が導き出したもの。
こんな最悪な台本、首領が考えるはずがない。
考えが纏まった私は、中也に笑いながら
「なんでもないよ!
ほら、最近葉琉が疲れてるから
今日は何か美味しいご馳走でも作ろうかなー?
なんて思ってただけよ」
と伝えた。
中也は横目でチラリと私を見て
「………そっか」
と目線を前に戻した。