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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第2章 黒の時代


朝、自分の執務室に行く前に
葉琉の着替えとお弁当をもって
以前まで自分が務めて居た太宰さんの執務室に向かった。

コンコンッー

「萩原葉月です」

直ぐに扉が開き葉琉がでてきた。

「葉月〜。ありがと〜」

着替えとお弁当を渡すと喜んで抱きついてきた。
奥の方から太宰さんの私にも〜という声が聞こえたので
念のため用意していたもう一つのお弁当を太宰さんに渡した。

「流石葉月ちゃん!
私のために有り難う!」

喜びながら食べる太宰さんに

「葉琉のためです」

と、ピシャリと告げた。

「相変わらず手厳しい」

太宰さんは食事を続けた。

「ところで、織田作さんの容態はどうです?」

まぁ、この二人が普通に朝ごはんを食べているのだ。
たぶん、そんなに時間が掛からずに目覚めるのだろう。

「君の想像通りだよ」

太宰さんはお弁当から目を離す事なく答えた。

「そうですか。
じゃあ、葉琉。私戻るね。
もうすぐ中也も来ちゃうから。
太宰さんの分もちゃんとお弁当箱洗ってね!」

部屋を出ようとしたその時
へぇ〜という面白くなさそうな声と
ほぁ〜という驚いた声が聞こえた。

「……なんですか?」

私は二人をみた。

「「いえ、何でも」」

何故か同時に返答があり
私はそのまま無言で部屋を後にした。
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