第2章 黒の時代
次の日、葉琉は太宰さんと織田作さんのところに向かった。
たぶん、織田作さんがお世話をしている子どもたちと
洋食屋フリイダムの亭主のところだろう。
私はいつも通り中也さんの待つ執務室へ入っていった。
「おはようございます。中也さん。」
「あァ。おはよう。」
眠そうに昨日の出張の報告書を仕上げている中也さん。
「珈琲お持ちしますね。」
「あァ、頼む。」
私は直ぐに珈琲をいれて中也さんに届けた。
「ちょっと気になってたンだけどよォ。」
中也さんはバサッと報告書を置いて私をみた。
「葉月っていつまで中也さんなんだ?
もう中也でいいって何回もいってンだろ。
それと、その敬語。
葉琉と居たせいかどうも堅っ苦しく感じちまってよ。」
中也さん、改中也は難しそうな顔をしていった。
「……気をつけます。…じゃなくて
気をつけるね。……中也。」
中也は満足そうに笑いまた書類に目を通し始めた。