第2章 黒の時代
ーーー数日後
中也さんと三日間の出張から帰って家に戻ると
真っ暗なリビングからすすり泣く声が聞こえた。
急いでリビングの扉を開けると
そこには泣き崩れる葉琉の姿があった。
「葉琉!どうしたの!?
なにがあったの!?」
私は葉琉に駆け寄り
心配でたまらず焦る気持ちを打つけるかのように尋ねた。
「ひッく………安吾が…居なくなっちゃった…」
葉琉の言葉に驚き、言葉を失う。
とりあえず自分を落ち着かせ直ぐに
「葉琉。落ち着いて。
ゆっくりでいいから詳しく教えて」
と、次は優しく尋ねた。
葉琉の話によると安吾さんが行方不明になり
織田作さんが行方を調査しているらしい。
また、太宰さんと葉琉は別の組織関連の調査をしていたが
どうも安吾さんと関わりがありそうな事件らしいのだ。
先刻も相手組織と銃撃戦を行ったそうだ。
幸い此方に負傷者はでなかったそうだが
安吾さんがその組織に関わっている疑いが更に深まったようだ。
「安吾…もう会えないのかな…?」
葉琉はまだ目に涙をいっぱい浮かべて呟いた。
私は黙って葉琉を抱きしめて葉琉の話してくれたことを頭の中でまとめたていた。