第11章 【SS】海辺の休日
ーーおまけーー
「ホントに最ッ悪!もう中也とお酒呑まない!」
寝台から起き上がれず、うつ伏せで脚をバタつかせる葉月。その横には同じくうつ伏せの姿勢で上半身を起こし、煙草を吸う中也が居た。
「あンまり騒ぐな。俺も頭痛ぇンだよ」
「中也のは自業自得でしょ」
いじけている葉月を横目で確認した中也は、煙草を消し葉月の肩をとんとんと叩く。顔を上げた葉月にちゅっと口付けをした。
「今度、葉月が作ったハンバーグが喰いてェな。ローストビーフも。合う酒は俺が準備しといてやるよ」
葉月が微かに聞き取れる声で「ホント狡い」と呟く。
「昨日は俺が悪かった。な?機嫌直せよ」
「……今回だけだよ」
「ん、有難う」
優しく頭を撫でると、葉月は照れた顔で見つめてくる。何を求めているのか直ぐ判った。本当は意地悪したい処だが昨日散々意地悪した為、これ以上は拙いと判断する。葉月の要求に応えて、先刻よりも深い接吻をした。
ーー終ーー